ピタゴラ装置No.58 コンベア

慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室 | 2005

展示サイズ

不明

素材・使用機材

布、木の板、アクリル板、乾電池、ビー玉、机、角材(コンベア機構部分のみ抜粋)

システム構成

Point 4 コンベア

あらかじめコンベアの上に「ピ」「タ」「ゴ」「ラ」が書かれた板を重ねておき、コンベアの流れる先に板が一枚分だけ通れるようなゲートを設けておくことで、上に乗っている板を滑り落としながら「ピタゴラ」の四枚を並べます。

コンベアの動力には、乾電池4つをくくりつけたおもりが、斜面を滑り落ちる力を利用しました。

(佐藤研・ユーフラテス 2006:69)(1)

コンセプト

2005年に制作された、装置No.58のピタゴラ装置です。

装置が進むと、それまで無かった要素が現れ機能するようになる、というテーマに沿ったいくつかの機構によって構成されています。

  • ミニカーに結ばれた紐が、ミニカーが進むことでピンと張ってその後ボールが通るためのレールになる
  • 跳ね上げられた板には細い穴が開けられており、そこにビー玉が通ると板が倒れ、写っていなかった板に貼り付けられた針金がレールになってビー玉が通る
  • コンベアが進むと画面外から積み重なった木の板が動いてきて、ゲートを通過するとそれがタイトルロゴになる

ビー玉など装置の要素それ自体が、装置の状態や振る舞いを制御するという試みはピタゴラ装置では頻繁に取り入れられています。テレビで装置の動きを見ている視聴者に対して、数秒前と装置の様子が大きく変わっていることと、装置自身はそれが当たり前のように動いていることについて、視覚的な驚きと納得感を与える働きがあります。

「我が道を拓く」(2002年/装置No.27)や「先回り捕獲」(2007年/装置No.87)などはその代表例と言えるでしょう。

この「コンベア」は、「フィニッシュの「ピ」「タ」「ゴ」「ラ」と書かれた4枚の板をするするとひっぱり出す布の動きが、ベルトコンベアの様であることからこの名がついている。」(佐藤研・ユーフラテス 2006:69)(1)とされているように、コンベア機構でタイトルロゴを作り出す部分をアイコニックに扱っています。

「ピタゴラスイッチ」という番組名はカタカナで表記されています。カタカナは表音文字であり、それ単体では言語的意味を持たず、文字列として並べられることで初めて意味を持ちます。「コンベア」においては、コンベア機構によって1枚ずつ整列された文字パネルによって、言語的情報が生まれる瞬間をカメラに収めています。

「なにやら積み重なった板が来た、と思ったらピタゴラ(という文字)になった!」という思考の流れを視聴者に抱かせることにより、「非言語情報、または言語的意味を持たない情報→意味を持つ言語情報へと変化する」爽快感を視聴者に与えています。

類似のコンセプトを持つ作品としては、「アナグラムマシーン」(2005年/装置No.50)や「ワイパー」(2006年/装置No.68)、「ハエ叩きカー」(2008年/装置No.95)などがあります。

引用元

(1)慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室・ユーフラテス(2006)「ピタゴラ装置DVDブック①」小学館 p.69

ピタゴラ装置No.58_1
ピタゴラ装置No.58_2

コメント

執筆:大渕

興味を持った要素

言語的意味を持たないデータが、装置の振る舞いにより言語的意味を持つようになること

取り入れたい要素

文字を1文字づつコンベアで流すこと


Bit.Fall

Julius Popp | 2006

展示サイズ

高さ:8m 幅:67m 奥行き:12m

場所によってサイズを変更している。

素材・使用機材

電磁弁…蓋を電気的に制御する。

システム構成

電磁弁を利用して文字を出す。

Twitterなどのネットから文字を持ってくる。

コンセプト

「Bit.Fall」は、水滴がピクセルになる液体スクリーン。

水滴の集まり方と速度によって、文字や単語が無限のクレジットのようにスクロールする。

これらの壊れやすく短命なサインは、多くのメッセージやランダムなスローガンとなり、次々と消えていく。

ワールド・ウェブからリアルタイムで直接取り込まれたこれらの言葉は、ロワール川の端、見えるものと見えないものの境界線上に突然現れ、消えていく。

引用元

Estuaire(フランス・ロワール河口三角州周辺で開催される芸術祭)における作品解説ページ

OBORO(カナダ・モントリオールにあるアートセンター)におけるBit.Fallの記事

Illuminate Productions(イギリスで活動する現代アート組織)におけるBit.Fallの記事

Bit.Fall1
Bit.Fall2

コメント

執筆:鵜飼

興味を持った要素

一瞬しか現れないところ。

取り入れたい要素

デジタル情報がアナログ情報として表現されている点。


Text Rain

Romy Achituv & Camille Utterback | 1999

展示サイズ

スクリーンがあればサイズは問わない。

(SIGGRAPH 2000での展示では約4.5フィート × 6フィートのスクリーンが使用された。)

素材・使用機材

カメラ、プロジェクタ、コンピュータ

システム構成

不明

touchdesignerなどを応用すれば作れると考える。

コンセプト

「Text Rain」は、言語と身体の関係性を探求するインタラクティブ・インスタレーションです。

参加者は、自身の身体を使ってスクリーン上に降る文字を「キャッチ」したり、「持ち上げ」たりすることができます。これにより、詩の断片が身体的な動きを通じて構築され、言語の理解が視覚的かつ身体的な体験となります。

この作品は、デジタルとフィジカルの境界を曖昧にし、観客の参加によって完成する詩的な空間を創出します。

(翻訳して引用)

引用元

作者の公式サイト

ASPECT(アメリカのメディアアートの雑誌)による作品紹介記事

Text Rain1
Text Rain2

コメント

執筆:菅原

興味を持った要素

特定の文字列ではなく、入力した文字が出力され、さらにコンピュータを通して体験者が実際にそれらに干渉できる点。

取り入れたい要素

特定の文字列ではなく、体験者が入力した文字が出力される点。


Digital/Analog Mirror

ksawery komputery | 2023

展示サイズ

高さ100cm 幅70cm 奥行き10cm

素材・使用機材

カメラ

カメラコントローラ

7セグメントx4ディジットフリップディスプレイ

制作したアプリケーション

システム構成

自作アプリでカメラからの情報を処理している。

そしてアプリから、ディスプレイに出力している。

コンセプト

テクノロジーが私たちの生活にどのように溶け込み、自己認識やアイデンティティに影響を与えているかを問いかけている。

引用元

作者の公式サイト

Digital/Analog Mirror1
Digital/Analog Mirror2

コメント

執筆:鵜飼

興味を持った要素

自作アプリの制御が見事なところ。入力をどう処理しているか気になる。

取り入れたい要素

入力処理の見事さ。これぐらいシームレスにできたら天にも昇る思い。